美しいことが大事(TYPE ZEROについて)

「私は一瞬、自分がこの飛行機の設計者であることを忘れて、『美しい!』と、喉の底で叫んでいた。」
堀越二郎さん「零戦」より

第二次世界大戦に参戦した国には国民の記憶にのこる戦闘機があったりします。
ドイツならメッサーシュミット(Bf109)。
イギリスなら“救国戦闘機”スピットファイヤー。
アメリカはどれでしょうね?超傑作機であるムスタングでしょうか。海軍機ならヘルキャットでしょうかね。

そして、日本ならゼロ戦ですよね。
零式艦上戦闘機。大日本帝国海軍の艦載、つまり空母から発艦・着艦できる戦闘機です。

今でも語り継がれるゼロ戦。なぜでしょうか?
第二次世界大戦初期に相手を圧倒した栄光の実績がその一番の理由でしょう。
でも、この飛行機が単純に美しいから、だと、私は思っています。
博物館じゃなくて、美術館に展示してあってもおかしくない出来です。

ゼロ戦の開発にあたり、軍からのむちゃな要求と、限られた条件(特にエンジン)において、メーカーの堀越技師が選んだ手段は、徹底した空力の洗練と軽量化(パワーウェイトレシオの向上)でした。
その極限を目指して磨きあげ、ミニマリズムを体現した芸術品のような飛行機が出来上がりました。

一方、大戦後半にゼロ戦のライバルとして戦ったアメリカ海軍の艦載機、グラマンF6F“ヘルキャット”はゼロ戦の真逆の設計思想です。
ずんぐりむっくりしていて、美しい飛行機とは言えません。
大出力の大きなエンジンを搭載し、そのあり余るパワーを頑丈さと生産性に生かしました。
防弾装甲に囲まれたコクピットはパイロットの生存性の高さにつながり、頑丈さによる急降下性能の高さは、熟練者でなくても勝てる一撃離脱戦法に適していました。
おまけに、空母に積みやすくするために翼を折りたたむのも油圧を使っています。軽量化より、運用に重きを置いていたということです。
つまり、「作るのが用意で、運用しやすく、誰でも勝てて、生きて帰ってこられる」という飛行機でした。

零戦は高い運動性能と航続距離を持っていましたが、その犠牲は少なくありませんでした。
急降下に適しておらず、防弾性は皆無、生産性が悪く、生まれたときから完成されていたので発展性もなかったのです。

このことを考えると、私は、

 【ヘルキャット】飛行機としては標準的な出来。でも兵器としては優秀。
 【ゼロ戦】飛行機としては傑作。でも兵器としてはイマイチ。

ということなんだろうな、と思っています。
ゼロ戦を見ていると、こんな飛行機を作った日本人というのは、きっと戦闘に向いているけど戦争には勝てない民族なんじゃないかな、って思います。
でもそれでいいんだよ~、美しいものを作ることの方が人類にとって大事なんだよ~。

まあそんなんはおいておいて、とにかく私はゼロ戦萌えです。
週末から上映される堀越二郎技師が主人公のアニメ映画、「風立ちぬ」が楽しみです。
ただ、きっとこの作品、ゼロ戦は出てこないだろうと思いますが。






テーマ : 日々のつれづれ
ジャンル : 日記

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

なお

Author:なお
いいトシしてバイクの免許を取得。
相棒はDUCATI MONSTER696とHONDA solo。
バイク以外の趣味はお菓子作り。
MtXです。

Twitter on FC2
カテゴリ
検索フォーム
リンク
月別アーカイブ
広告1
広告2