武士道とは・・・?(「ドリフターズ」4巻)

平野耕太さん「ドリフターズ」4巻を読みました。


「指輪物語」的なファンタジーワールドに飛ばされた、古今東西の傑物が2軍に別れて戦うストーリーです。
今巻は、オルテ帝国首都奪取作戦を主軸に、主人公である島津豊久と敵対する土方歳三のバトルが描かれています。

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土方が持つ薩摩への敵対意識を察した豊久は、土方を挑発しまくります。
「貴様らに士道はないのだな」という土方に対して、豊久は「こいは合戦ぞ 首の掻き合いに道理なぞあらんど」
と答えます。

私はかねてより「武士道」とやらに疑念を抱いておりました。
そんなの、本当にあったのか?
私達も知る「葉隠」は江戸時代中期に書かれたものです。
また、新渡戸稲造の「武士道」は、外国人に「日本に宗教はないのか?」と問われ、その返答として日本人の伝統精神ということで書かれたと聞いています。
これらは、武士の必要性が無くなった世の中において、美意識として書かれたものなのではないかと、考えておりました。

そして、新撰組で有名な土方歳三、近藤勇、ともに農家の出身です。
「武士への憧れ」で武士となり、そして、長きにわたり戦争がなかった江戸時代に成立した美意識としての「武士道」の呪縛で戦死した人たちなのではないかと思うのです。

実際、新撰組は思想的に行き詰まり、内ゲバやりまくりでした。
このマンガの帯でも「カルト団体か何かか?」と揶揄されています。
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純粋な若者が「こうでなければいけない」と思い詰めて至ったという点では、1970年代の赤軍のリンチなどと同じだよ、と思うのです。

平野耕太さんの新撰組へのイメージは私と同じようなのかもしれません。
関ヶ原で名を遺した真の戦国武士である豊久に「日本武士」と呼ばれて、まんざらでもない土方の姿が描かれています。
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そんな土方に対して、島津豊久をはじめとする主人公側の織田信長、那須与一ののびのびとしていること。
士道なんて関係なく、「国取り」のために戦争しまくりです。自分勝手です。敵対するものは言葉の前に殺します。
でも、実際の戦争ってそういうものでしょう?
だからできるだけやらないようにするのでしょう?
豊久は言います。「戦ちもんは はなからいかれたもんぞ」
本当のサムライってそういうものではないでしょうか。

なので、それに関連して、やたら「サムライ、サムライ」いう世の中の風潮が好きじゃないのです。
「サムライブルー」だの、「サムライジャパン」だの、どうなの? という気持ちなのです。
日本はサムライの国ですかね。農家の国だと思うのですが。
今巻ではありませんが、「ドリフターズ」では、主人公らの敵対する組織が、しもべとした化物たちに文明のはじまりとして農業を教えるエピソードがあります。破壊は対をなして生産がなければ成り立ちません。
「生きる」とはどういうことか、「人間」とはなんであるのか、平野耕太さんの作品は、前作「ヘルシング」同様、とっつきにくい作風だけれど、今回も骨太な話なだな、とあらためて思いました。





テーマ : 漫画の感想
ジャンル : アニメ・コミック

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こんばんは四巻面白いですよね。
傷だらけなのに負けてないような雰囲気出している豊久がすごいですね。
個人的には多門の活躍が早く見たいです。
五巻は何年係るやら・・・

Re: タイトルなし

こんばんは。
今巻も、豊久や信長のやりたい放題っぷりに笑わせていただきました。
そにに比べスキピオが不憫で不憫で・・・(笑)
次巻は2年以内に出るでしょう。大丈夫。平野さんはやればできる子。
その前に、身体を壊されないように気をつけていただきたいです。
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なお

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相棒はDUCATI MONSTER696とHONDA solo。
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