不安定メカへの愛と情熱

141207ヴァイ・オ・ラ
昨日の永野護さんが、ロボットのデザインのアイデアとして音楽機材のモチーフを取り込んだことを書きましたが、そのあたりで補足などを。
永野さんはアナログシンセサイザーのオペレートの難しさを、ロボットの運用に取り入れたのが、面白いな、と思っています。

永野さんの「Five Stars Stories」に出てくる巨大ロボット、“モーターヘッド”は、ひとたび戦場へ投入されれば通常兵器がまったく通用しない「無敵」である代償として、運用にとんでもない手間を要する兵器です。
専門の整備職人であるマイスターと中隊規模の整備隊。
コントロールには騎士と呼ばれる超身体能力を持ったパイロットのほかに、人造人間である有機コンピューター少女、ファティマが乗り込みます。

騎士とファティマがプレイヤー、パフォーマーなら、マイスターはエンジニアですかね。


141208不安定メカのカタルシス
これはYMOでも使われた、モーグ社のIIIcというシンセサイザー。
巨大な故に象徴的でした。
初期のアナログシンセサイザーは、大変に不安定な代物でして、運用にコツを要しました。
ライブ前は、電源入れっぱなしにしておくとか。原因不明で電圧が変わって音程がずれるとか。
YMOでもシンセサイザーのオペレートなど(音楽業界でいうエンジニアですね)を務めた、松武秀樹さんの尽力なくして成り立ちませんでした。

その大変さは、お笑い番組でYMOのパロディとして取り上げられるほどでした。
IIIcに見立てたシンセらしきもののコードを抜き差ししていると爆発するとかね。

私の時代は、初期のアナログシンセサイザーが安く放出された時代で、おまけにデジタルシンセ花盛りだったので、初期のアナログシンセを安く購入することができました。
友達がそれを買ってきたりして楽しんでいました。
なんと空中配線でしたね。大手メーカー製だったのに。
普段使ってない回路を使うと、溜まっていた埃に火がついたりして。今では笑い話ですが。
それくらい、成熟されていない技術の上に成り立った、音楽への情熱だけで作られた電気回路の塊、それがシンセサイザーでした。

不安定なメカと言えば、エヴァンゲリオン。
やたらシステムダウンして再起動しますよね。
それが、切羽詰まった演出として利用されていました。

再起動と言えばコイツ。
そう、APPLE社のMacintoshです。
141208不安定メカのカタルシス
これはSE30と呼ばれるもので、私が若い頃、ミュージシャンたちが好んで使っていました。
信じられないだろうけど、可搬媒体がなかった頃、これを運んでたんだぜ。
肩掛けのキャリングケースが売っていたんですよ。ほんとだよ。

Macintoshもアナログシンセよろしく、ステーブ・ジョブスの理想と情熱が先行したもので、そのソフトウェアの重さにマシンがついていっていませんでした。
それで頻発したのが爆弾マーク。
141208不安定メカのカタルシス

機械として不安定だったり、運用が難しいというのは重大な欠陥です。
でも、それでも、それをわれわれ人類は愛しているということも事実だと思うのです。
バイクでも、安定を犠牲にしてパワーを絞り出したり、あえてフューエルインジェクションではなくキャブレターを愛する人が少なくありません。
蒸気機関車も最近は観光用として、いくつもの車両がレストアされ、現役復帰しています。

完全なものはつまらない。
完ぺきなものは愛せない。
人間とは、ほんとうにおもしろいものです。

YMO「1980 WORLD TOUR - LIVE at DE LANTAREN」










テーマ : 日々のつれづれ
ジャンル : 日記

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相棒はDUCATI MONSTER696とHONDA solo。
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