ヘタウマMVに悶える

表現の世界で言われる、いわゆる「ヘタウマ」表現、嫌いじゃないです。
ヘタウマっぽい絵でMVを作るとどうなるか。
その例をいくつか。

さよならポニーテール「ナタリー」

さよならポニーテールは覆面アーティストチームで、キービジュアルをイラストレーター(マンガ家)が担当しています。
いまは“代替わり”してしまいましたが、初代神様(イラストレーター)のゆりたんの絵は、ガロ(昔あった前衛マンガ雑誌)に載ってそうなどこかノスタルジックな世界観があったと思います。
この曲は80年代アニメ風MV。きれいに作るより80年代風の映像処理が大変だったのではないか?と素人としては思ってしまいます。
映像に意味を全く持たせないのが、逆に音楽を際立たせていると思います。


禁断の多数決「ちゅうとはんぱはやめて feat.泉まくら」

禁断の多数決と泉まくらさんの共通点、イラストレーター、大島智子さんを起用している(したことがある)。
大島さんをヘタウマなんていうのは失礼だとは思いましたが、インパクトのあるイラストで泉さんは完全にキービジュアルを大島さんに依存しているのであえてご紹介する次第。
大島さんの絵って、小学生の女の子が書いたようにも感じるキャラクターデザインで大人のやるせなさを表現していることと、意外な情報量の多さに魅力を感じています。


んでもって本日の真打。
三戸(みと)なつめさんのデビュー曲、「前髪切りすぎた」

三戸さんはモデルさんで、ぱっつんすぎる前髪がトレードマークらしいです。この曲はそれを歌にしたと、まあそんなカンジ。
でも、このMVに本人は一切出てこない。モデルなのに!? かわいいのに!? 思いっきり本人を意識した曲なのに!? なぜだ!?
その代りにすごいインパクトのアニメが。
ヘタウマっていうか、お世辞にも上手とは言えない絵で、どこかで「狂気を感じる」とか書かれていました。

映像は前衛アニメ作家、伊勢田勝行さんによるもの。
どこかで、「日本のヘンリー・ダーガー」とか「アニメ界のアウトサイダーアーティスト」とか称されてて、他の作品を観るとめまいすら覚えます。どうこじらせたらこうなる?
デジタル機材の処理落ちエラーまで表現されていたりします。
今の時代、コンピューターのサポートで、多少のやる気さえあれば下手にする方が難しいんじゃないかな?
でも、ああ、ハマるハマる、なんだろこの中毒性・・・恐ろしい。思考が止る。

曲のアレンジはどこか昔のアマチュア宅録(自宅録音)アーティストっぽい演出になっています。
イントロに入るまでの長い無音の時間、音色が微妙にチープ、ひっかかるシンセの発音、録音のミスっぽい部分、余韻に欠けるエンディング、歌詞ののせ方のつたなさ、などなど・・・狙いすぎでしょ。
なのに楽曲の基本クオリティーが高いし、アレンジの仕掛けの多さがただ者じゃない、と思ったら中田ヤスタカ猊下プロデュースでしたよ・・・狙いすぎだって。


というわけでヘタウマって、サブカル世界ではアンチハイクオリティ主張やかわいらしさの表現の手段として結構あるとは思います。
私は、極論ですが、

 ・マンガでは、構図とコマ割りさえしっかりしてれば、なんとかなる。
 ・音楽では、リズムさえしっかりしてれば、なんとかなる。

という気がしております。あとは魂の問題。
今回は主に演出としてのMVのヘタウマビジュアルを見てきたわけですが、昔、プロミュージシャンの方とお話したとき、「技術的にどんな曲でも作れるようになるにつれ、アマチュアの人のような魂を入れるのが難しくなっていく」みたいなことを仰っていました。
なので、“アマチュア的な魂”を付加するためにビジュアルをあえてアマチュアチックにするのかもしれません。
ただ、狙っても、ほんのちょっとのさじ加減のミスで完璧にダメになります。
ヘタウマの魅力って、自然とにじみ出る無駄な情熱だから、若い人と狂った人だけの特権なのかもしれません。
とはいうものの、絵でも音楽でもアマチュア世界のクオリティがあがって、そういうのを探す方が難しくなってきた気がします。その反動なのかもしれません。まわりまわって最先端というわけです。








テーマ : 日々のつれづれ
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相棒はDUCATI MONSTER696とHONDA solo。
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