神様も不完全

市川春子さん短編集「虫と歌」、表題作「虫と歌」を読んで。

昆虫と哺乳類の違いは、その体の構造と生態について、シンプルの究極を目指したのと、複雑の究極を目指した違いだと思う。
虫の外骨格はあのサイズだから実現できるものであって、哺乳類のサイズでは機能しないだろう。
哺乳類は身体を回復させたり社会性で役割分担を持たせることで個体を維持するが、虫は数で勝負しているので使い捨てだ。傷を負っても回復しない。
なぜこれほどまでに様々な生物が、この地球上に存在するのか。
多様性であらゆる未来に備えているためだという。
環境が突然にして大きく変化しても、いずれかの生物は生き残るだろうと、そういうことらしい。
実際、巨大隕石などの外的要因による環境の変化があっても、生命は途絶えることなく今に至っている。

でも、生命の多様性はひとつの証明だ。
つまりだ、神様でさえも、未来はわからないのだ。

「虫と歌」に神様が出てくる。
「友さん」だ。
この謎の女性は常に逆光で描かれている。登場して靴を脱ぐポーズは仏像のようで、雲間から射す光はまるで後光のようだ。
この人は神様だ。死神だ。お母さんだ。

「お母さんよ 特別だから 迎えに来たの」
「ごめんなさいね 今あなたが願っていることは なにひとつ叶えてあげられないの」


神様は常にこの地球で実験をしている。
どうやら神様もあぐねているのだ。未来に。


テーマ : 漫画の感想
ジャンル : アニメ・コミック

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

なお

Author:なお
いいトシしてバイクの免許を取得。
相棒はDUCATI MONSTER696とHONDA solo。
バイク以外の趣味はお菓子作り。
MtXです。

Twitter on FC2
カテゴリ
検索フォーム
リンク
月別アーカイブ
広告1
広告2