浜松市博物館「ライラックの軌跡展」より(その1)

浜松市博物館「浜松オートバイ列伝2 ライラックの軌跡展」より(2015年9月20日)

ライラックは浜松で生まれた丸正自動車製造株式会社のオートバイブランドです。
1950年頃から生産を開始したようです。
1945年が第二次世界大戦の終わりなので、そのわずか数年後のことになります。

戦後復興とモータリゼーションの到来により、バイクは現在よりも安価に手に入る実用的な乗り物でした。
雨後の竹の子のようにバイクメーカーが群雄割拠していたのですが、その中でもライラックは技術面で特徴的な存在であったようです。
それを間近に感じてみてきました。

【ライラック LC】1952年 約147cc
150920ライラックの軌跡展
1952年のバイクとしてはかなり洗練されていると感じます。
2段シフトのLB型からクラッチレスを採用したモデル。
ホンダが本社を東京へ移転。自転車用補助エンジン、カブF型の試作をしていた頃です。

150920ライラックの軌跡展
元ネタはおそらくこれ。
BMWのR35。1945年のものです。

150920ライラックの軌跡展
ちなみにホンダのドリームE型(1951年)がこちら。
シャフトドライブとそれにふさわしいエンジン構造であった点で、ライラックの方が本家に近いと言えます。

【ベビーライラックJF】1953年 88.6cc
150920ライラックの軌跡展
1951年にホンダがカブ(F型)を発売し、大ヒットします。
これは、いまのスーパーカブとは違い、エンジンに取り付けるキットでした。
どうもこれに触発されたらしいのですが、女性でも乗れる気軽なバイクをコンセプトに開発されたようです。
ご覧のようにタンクがハンドルの上に付いています。
当時90ccまで無試験許可制だったので、この排気量となったそうです。

150920ライラックの軌跡展
またぎやすいフレーム。軽量な車体(76kg)。
シャフトドライブ。スイングアーム式のリアサスペンションはこの頃の安価なバイクにしては奢ったものなのだろうと思います。
ホイールにラインが入っていて、おしゃれに見せようとしたのだと思われます。

150920ライラックの軌跡展
2速で左グリップにシフトチェンジャーがついています。
右手でアクセルを操作するので、スーパーカブのような片手運転は考慮されていません。

150920ライラックの軌跡展
なんといってもタンクの位置が特徴的です。
これにより前輪に荷重がしっかりかかる反面。スプリングだけのショックアブソーバは荷重がかかりすぎるとスプリングが外れそうです。
そのためか、なんとフロントブレーキがついていません。
巧みな宣伝効果もあって販売は好調だったようです。
スーパーカブ(C100)の登場が1958年だったことを考えると、当時としては先進的なバイクだったのだろうと思います。

【ベビーライラックJF2】1953年 104cc
150920ライラックの軌跡展
ベビーライラックの排気量拡大版。メーターは80kmまでありました。

【ライラックKE】1953年 200cc
150920ライラックの軌跡展
前述LCからKD(1952年)への移行としてパイプフレームの採用とプランジャー式のリアサスペンションの採用があったのですが、法改正によりKDの200cc版として登場したのがKEだそうです。
この後排気量を当時法的に最大の250ccに拡大したKHも作られました。

150920ライラックの軌跡展
恐らく参考にしているのはこのあたり。
BMWのR25(1950年)。

【ライラックSY】1954年 250cc
150920ライラックの軌跡展
この頃になるとウィンカーがついてきますね。
これをベースにした(というもののスイングアーム式リアサスペンションなので別フレームですが)ライラックSYZは第1回浅間高原レースの250ccクラスでホンダを破って優勝したそうです。

150920ライラックの軌跡展
スタイルは相当に洗練されてきました。

150920ライラックの軌跡展

150920ライラックの軌跡展

150920ライラックの軌跡展

150920ライラックの軌跡展

150920ライラックの軌跡展

【ライラックドラゴンTW】1954年 338.8cc
150920ライラックの軌跡展
水平対向2気筒エンジン、セルモーターの採用、スイングアーム式リアサスペンションなど、先進の限りを尽くしましたが、190kg近い車重で成功とは言えなかったようです。

【ライラックランサーSW】1954年 338.8cc
150920ライラックの軌跡展
TWのエンジンをSYのフレームに収めたもの。車重の軽減を図ったのだが、お世辞にも美しいとは言えません。

続きます。

【参考】
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%B8%E6%AD%A3%E8%87%AA%E5%8B%95%E8%BB%8A%E8%A3%BD%E9%80%A0
http://home.catv-yokohama.ne.jp/22/hurypapa/lilac001.htm
展覧会パンフレット(浜松市博物館)
http://www.honda.co.jp/timeline/nenpyo/1951.html
http://blogs.yahoo.co.jp/nanbu83/32297986.html

テーマ : バイク
ジャンル : 車・バイク

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相棒はDUCATI MONSTER696とHONDA solo。
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