残念グライダー(小沢かなさん「ブルーサーマル」)

空を飛ぶ機械全般好きなのですが、グライダーは特にお気に入りです。
千葉の北部は近くに飛行場があり、ときどき飛んでいるのを見かけます。
できれば自分もやってみたい、なんて思ったりしたこともありましたが、なにせライセンスを取るだけで100万円、一回乗るのに数万円と聞いて諦めました。
私は地べたをはいずります。

さて、今日、仕事で移動中15分の電車待ちができてしまい、駅の書店に入ったら小沢かなさんの「ブルーサーマル」というマンガを見つけました。
グライダーを題材にしているということで、試しに買ってみました。

感想を一言で言うと「う~ん」といったところ。

あらすじは、「高校ではバレーボールをがんばっていた女の子が大学でグライダーと出会い、競技の中で自分の運命とも戦っていく(ラブもあるでよ)」と言った感じなのかな。

でもな~、主人公がグライダーを始めるいきさつとか、やっぱり無理があるなぁ、と。
いまのスポーツで、いくら競技人口が少ないと言えど、大学から始めた人間がトップを目指せるほど甘くないという現実もあるし。(グライダーの世界はそうなのかもしれないけど)

恋愛とコンプレックスとの闘いと競技での勝利・・・などなどの内容をつめこみ過ぎで、競技グライダーという一般的には魅力が伝わりにくい題材を料理しきれてない気がします。
末次由紀さんの「ちはやふる」みたいにしたかったという気持ちを感じなくもないのですが、誰でも経験があるかるたと違って、グライダーという題材は普通の人にはイメージすらできないし、友情物語まで入る余地はもうなし。
物語のお膳立てが大変で、それをテンポの良い展開にしたくて、なにもかも薄くなっちゃった感じです。

そしてなにより、主人公の設定に無理がありすぎて共感できないのが痛い。
あの家庭環境であのお気楽な性格になるとは思えなかったりとか、グライダーの才能がある理由とか[今後描かれるのかもしれませんが]、グライダーにはまった理由も今一つピンとこないとか・・・
一度心折れたはずの彼女が運命に立ち向かう理由がね、伝わってこないんですよね。
それにはまず先に友情物語をちゃんとやらなきゃいけなかった。

さらに、個人的にはグライダーの描写をもっとがんばってほしいなぁ、と。いや、がんばっているのは伝わってくるのですが、足りないなぁ、と。写真をトレースしてるんだろうな、とわかってしまうわけですよ。
小沢さんはパソコンで処理されているのですが、グライダーの部分アップのコマになると、全体を描いたものをただ拡大したのを使ってて、線がカクカクになってたりして興ざめするのです。
マンガは絵だから良いのであって、デフォルメしても良いのよ。
やっぱり、グライダーの流麗なラインは手で描いてほしい。志村貴子さんか高野文子さんかっていうくらいの美しい描線で・・・
ああすみません我儘言って。でもグライダーを題材にした以上、もうそれは仕方ないかと。

小沢さんはきっと少女漫画を基本にされていると思われるのですが、もっと少年マンガを研究したほうが良かったのかもなぁ。
「ちはやふる」は少年マンガと言われているそうですし(自虐ネタにされたし)・・・。
メカの見せ方は、新谷かおる先生とかを参考にしてですね。
競技の世界をちゃんと描くならまずは熱い作品にしないと。ここはひとまず「努力・友情・勝利」。恋愛は伏線張っているくらいでよろし。

というわけで、ディスっちゃいましたが、ご興味のある方は読んでみてくださいね。

余談:「ネギ臭いグライダー飛行場」で「妻沼だ」とわかってしまった私であります。(熊谷に住んでたことがあり)


テーマ : 漫画の感想
ジャンル : アニメ・コミック

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同感です

まったく同じ感想です。笑
せっかくの題材なのでもうちょっと・・・という感じですよね…

グライダーに体験搭乗で後席に乗せてもらえるクラブが
あるのですが、とても感動しました。空気を滑るようなあの感覚
は素晴らしかったです。

Re: 同感です

> 遊性さん
作者の人、実力不足なのに詰め込み過ぎだなぁと。
かなり勉強されて、取材もしっかりされているんだろうな、とは思うのですが・・・
これはきっと編集の人が悪いんだと思います。

グライダー体験、うらやましいです。
私も乗ってみたいな。
プロフィール

なお

Author:なお
いいトシしてバイクの免許を取得。
相棒はDUCATI MONSTER696とHONDA solo。
バイク以外の趣味はお菓子作り。
MtXです。

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