紅茶を硬水でいれる実験

【なぜこの実験を行ったか】
紅茶文化で有名なイングランドの水道水は硬水だという。
そこで、以前、紅茶を硬水でいれてみたところ、おいしいと感じた。
硬水はお茶の成分の抽出の邪魔になるはずであるにもかかわらずの結果に驚いた。
そこで、軟水と硬水で同条件で紅茶をいれてみて、味を比べてみる。

【実験内容】
161204紅茶を硬水でいれる実験
用意した水。
軟水:「南アルプス天然水」サントリーフーズ株式会社
硬水:「コントレックス」ポッカサッポロフード&ビバレッジ株式会社

161204紅茶を硬水でいれる実験
「南アルプス天然水」硬度約30mg/l

161204紅茶を硬水でいれる実験
「コントレックス」硬度約1468mg/l
※コトレックスはあまりにも硬度が高いため(参考:エビアンは約300mg/l)、「南アルプス天然水」で半分に割った。

161204紅茶を硬水でいれる実験
使った茶葉は、ルピシアのブレンド名「ダージリン・ザ・ファーストフラッシュ」

161204紅茶を硬水で淹れる実験
お湯の温度:摂氏100度(ただし計量、器に移すなどで95度以下に落ちると思われる)
お湯の量:150cc
茶葉の量:3g
抽出時間:3分
注:器等は使う前にお湯で温める(もちろん各硬水・軟水で分ける)
  茶こしは一つ物を使った
  抽出中はティーポットをタオルでくるんだ(ティーコゼーの代わり)

161204紅茶を硬水で淹れる実験
色の比較。
右:硬水、左:軟水
若干硬水が薄い。
硬水の方が抽出される成分量が落ちるはずなので、想定内の結果。

【テイスティング】
161204紅茶を硬水で淹れる実験
テイスティングの結果(渋味、香り、旨味、甘味)

軟水を、全て5とした時の硬水の結果。
<軟水3分抽出=基準>
渋味:☆☆☆☆☆
香り:☆☆☆☆☆
旨味:☆☆☆☆☆
甘味:☆☆☆☆☆

<硬水3分抽出>
渋味:☆☆
香り:☆
旨味:☆☆
甘味:☆☆☆

ここまでの結論、硬水でいれた紅茶はまずい。
でもおかしい。あのおいしいと感じたのはなんだったのか?
そこで、硬水でいれたときに甘味は残ったのをヒントに5分抽出してみた。

<軟水3分抽出=基準>
渋味:☆☆☆☆☆
香り:☆☆☆☆☆
旨味:☆☆☆☆☆
甘味:☆☆☆☆☆

<硬水5分抽出>
渋味:☆☆☆
香り:☆☆☆☆
旨味:☆☆☆☆☆☆
甘味:☆☆☆☆☆☆

驚いたことに、旨味と甘味は、軟水3分抽出を超えたように感じた。
渋味が抑えられたことにより、そう感じたのかもしれない。
おそらく硬水の場合は、カテキン(タンニンの一種)もしくはカフェイン、あるいはどちらともの抽出が制限されるのかもしれない、と推論する。

ダージリン特有の鮮烈な香りを引き立ているのに、渋味が役立っていると思うので、好き嫌いは分かれると思うが、香りは悪くない。


【実験結果から導き出される推論】
紅茶の味は、水の硬度と抽出時間により、特に渋味と旨味のバランスを調整できるかもしれない。
イングランドでは、一般的に硬水が使われるため、紅茶の旨味と甘味が引き立つことによりミルクとの相性がよく、ミルクティーが一般的になったのかもしれない。



【余談】
161204紅茶を硬水で淹れる実験
日本茶は低めの温度で抽出することをヒントに、摂氏約80度の硬水で5分抽出してみた。

161204紅茶を硬水で淹れる実験
<硬水5分抽出(摂氏80度)>
渋味:☆
香り:☆☆
旨味:☆☆☆☆
甘味:☆☆☆☆

結果として、決して美味しくないわけではないのだが、いまいちであった。
ポテンシャルを引き出せてない感じがする。
紅茶は摂氏100度くらいで抽出しないとだめなようだ。

テーマ : 紅茶、日本茶、中国茶、、ハーブティー
ジャンル : グルメ

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面白かったです

初めまして。

紅茶は好きですが、余り自分でこういった条件検討をしない(といいいますか、失敗したくない)ので楽しく拝見させていただきました。

以前、本で読んだことがあるのですが、硬水中の金属イオンがお茶のシュウ酸と結合し、苦渋味をおさえるという予測がなされているらしいです。
また、温度も重要ファクターで、カフェインやカテキンといったポリフェノール類は高温でなければ抽出しにくく、香気成分も高温でなければ抽出されにくいです。
苦渋味、香りが弱まる一方、アミノ酸は低温でも出やすいので、苦くない分旨味を感じやすくなったのではないでしょうか。

何にせよ、なおさんの実験・推論は素晴らしいと思いました。

Re: 面白かったです

> けy さん
はじめまして。
なにかご参考になれば幸いです。
イギリスの映像をテレビで見たりすると、ミルクティーをマグカップでがぶ飲みしていたりするので、きっと味そのものがずいぶん違うのだろうな、と思って実験してみました。
宗教的に飲食にこだわれない教義ですので、雑に入れていると思うんですよね。
それでもイングランドであそこまで定着したのだから、イングランドならではの楽しみ方があるのだろう、と。
なんとなく分かった気がします。
本当はもっと追及してみたいのですが・・・

No title

ドイツから帰国の際に好きだった店のアールグレーを大量買いしました。日本で淹れてみると、あれれ?香りが全然しなくて、渋みばかりが際立つ... 。どうにかならないかと思い検索し、ヒットした次第です。硬水と温度がポイントでしょうか。ヨーロッパの住宅は建物全体を暖めるので部屋だけでなく家具や食器も暖かいです。日本のように布団や風呂場が冷たいということはないです。このようなことから、紅茶の抽出開始からの温度変化も大分変わるような気がします。日本ではヨーロッパに比べて水温が大分早く下がるような気がします。
コメントを書いていて思い出したのですが、あちらは規格が240Vなのでケトルでの沸かし時間がとても早いです。水を入れて、紅茶の準備をしていると、もう沸騰しています。ジャンピングには水内に含まれる空気も大切らしいので、そのあたりも違うかもしれませんね。ガスコンロは少なく、電気なのですがこれまた一度温まると湯沸かしなどは日本と比べて大分早いように感じます。
イギリスはミルクを大量に入れるんですね。ヨーロッパでは牛乳は日本のようにホモジナイズされていないことが多いので脂肪球が大きく口当たりがまろやかなように感じます。時々、牛乳ですら開封すると一部クリームのようなものが固まっています。
ちなみにチョコレートは同じものであれば、湿度の高い日本で食べたほうが香りも味も深く感じることが多いです。ヨーロッパで淡い香りでも日本で食べた際には結構感じらます。チョコレート類は現地で食べるよりも日本で食べることがオススメです。

長々となりましたが、また美味しい紅茶の研究報告を楽しみにしております。

Re: No title

「名物に旨い物なし」という言葉がありますが、「現地でないとおいしくない」ということなのではないか、と思います。
現地と同じ状況にはならないけれど、そこは知恵と努力でなんとか近づけたいですよね。
チョコレートが日本で食べる方がおいしいのですね。意外です。

建物の違いは・・・お気づきだと思いますが、日本で蓄熱するような構造の建築だと、夏はやってられないので、できるだけ蓄熱しない素材で作るからです。
プロフィール

なお

Author:なお
いいトシしてバイクの免許を取得。
相棒はDUCATI MONSTER696とHONDA solo。
バイク以外の趣味はお菓子作り。
MtXです。

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