歌い続けるよ

「リップつけて まつ毛あげて…
 レースの下着つけて
 そうやって武装してないと不安なのよ
 バカみたいだよね
 鎧の重さでどんどん動けなくなるのよ」
===「サンダル」タカハシマコ(「乙女ケーキ」収録) より===



「奈々子さんみたいにやせてて
 もっと背も高くて
 そしたらもっと自由な体な気がするのに
 性からも
 悲しみからも」
(中略)
「ぴちぴちと若くはなく
 美しくもなく
 お肉のかたまりではない奈々子さんを
 女としてなめてたんだ」
===「荒野の恋」桜庭一樹原作/タカハシマコ作画 より===



「好きか?」
「好きです」
「どんなところが?」
「軽い」
僕は即答した
「それに尽きます。とにかく、動きが軽くて、機敏です。(後略)」
(中略)
「落ちていくときは、重い方がいい」
彼はそう言って、立ち上がった。
「襲う方は軽量である必要はない。機敏さってのは、逃げるものが欲しがる機能だ」
===「ナ・バ・テア」森博嗣さん より===



精神科医の提案は、私の『重さ』を薬で排除しようというものだった。
そうすれば、苦しいことを忘れられるって。
でも、でも、その『重さ』を忘れて、生きているって言えるのか?
孤独も絶望も、私の親しい友達じゃないか。
安易にそれから逃げる愚かさを、友人の行動から気づいたんだ。
この胸の痛みは、そこから来ているんだ。
だからやっぱり提案は断った。最低限の処置はしてもらうけれどね。

私は、身体もバイクも軽い方がいいって、そうずっと思っていた。
そうすれば、人としての痛みや傷から逃げられるって、そう信じていたんだろうと思う。
でも、きっと、そうじゃないんだろう。

私はいまさら重くはなれないけれど、ハナウタを歌い続けよう。バイクで走り続けよう。
だらしなくたって、弱くたって。


サカナクション「ミュージック」


「いつだって僕らを待ってる
 疲れた痛みや傷だって
 変わらないままの夜だって
 歌い続けるよ 続けるよ

 いつだって僕らを待ってる
 まだ見えないまま ただ待ってる
 だらしなくて弱い僕だって
 歌い続けるよ 続けるよ」





テーマ : GID-性同一性障害
ジャンル : 心と身体

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なお

Author:なお
いいトシしてバイクの免許を取得。
相棒はDUCATI MONSTER696とHONDA solo。
バイク以外の趣味はお菓子作り。
MtXです。

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