いまさらですがヒゲもいいものですよ

(デザイン論としてお聞きしたいのですが、ターンA(ガンダム)のデザインってどうなんですか?)
「あっ、カスですよ。これはぜひとも書いてほしいんですけど、(監督の)富野(由悠季)さんになんで誰も言わなかったのかなって。(中略)模型業界とかでアニメファンで、『あのターンA、よく見ればいいよ』って、逃げてるだけの話で、絶対的な評価でいえば第一印象で見てみればおかしいだろ、変だろ、あれはガンダムじゃないだろっていうのを、なんで誰も言わなかったのって。」
永野護さん
NewType2001年6月号増刊「TheFiveStarStories ISSUE」より



アニメメカデザイナー兼マンガ家その他の、永野護さんのファンです。
彼はアニメのデザインにファッションやその他(バイクとか楽器とか)のモチーフを持ち込み、革命を成し遂げました。
デザイナーとしてはもちろんのこと、創り出すお話もとても良いんです。
ですが、彼が上記のごとくけちょんけちょんに云う、ターンAガンダムも私は好きです。
お話はもちろんのこと、メカデザインとしても。

ターンAガンダムのデザイナーはシド・ミード氏。
たしかに、最初、ターンAガンダムを見た時は拒絶反応でした。ガンダムに髭ってありえないでしょ?って思いました。
でも、確かにアニメで見るとなぜかかっこいいんですよ。
どのポージングをしても、ラインが美しいのです。

130314ロボットデザイン
プラモデルの箱の作例なのですが、アクションをさせた時のシルエットとラインの美しさ。
見上げた方向からのラインも考えられています。

一方、永野氏のデザインは立ち姿とか、一定のポージングさせたときは素晴らしい絵になるのですが、アクションをさせるとがっかりすることがあります。
130314ロボットデザイン
どうもアクションさせたときの迫力に欠けるんだよね。
それは、永野氏のアニメ作品「花の詩女 ゴティックメード」でもそうでした。
ロボットの戦闘シーンはほとんど止め絵のようにしかアクションしないのです。ポーズとったまま突進するイメージ。あまりに戦闘シーンが短くて早かったのでイメージしか残っていないのですが(それはそれで劇としてよいことだと思います。だらだら戦闘シーンはつまらないので)。

これは、どちらが良いという話ではなく、考え方の違いだと思います。
永野氏は巨大ロボットが戦闘したときに、そんなアクションしないだろう、一撃で勝負は決するだろうと考えているのだと思います。
一方ミード氏は、アニメ作品のデザインとして、アクションさせたときの普遍的な美しさと、運動する物体としての説得力を重視しました。
ただ、ディティールの面で、日本人の“かっこいい”と思えるものと、アメリカ人であるミード氏のセンスが、一致しなかったところは多分にあると思います。
そこは、富野監督の確信犯的な起用であり、それでも両者のセンスのすり合わせについて、かなりの労力を割いて行われたことが、「MEAD GUNDAM」という本で明らかにされています。
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(2013/01/23)
シド・ミード

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さて、富野監督は、なぜミード氏を起用したのかについて、私は以下の理由を考えています。
 1)“ガンダム”を終わらせるためにターンAを作ったから。
 2)日本人で、非常に評価している永野氏以外のデザイナーを見つけられなかったから。
 3)デザインの手法として、日本のアニメのやり方から離れたかったから。

「ガンダムにお髭がありますか?ありません!」(byディアナ様)という台詞が作品中にあるのですが、ヒゲはこれまでのファンを拒絶させるためにやっているとしか思えません。
富野監督が「ヒゲを見て思考停止してしまうような奴は見なくていい」と思っているとしか思えないのです。
でも、本当にとてもよい話なのです。
ヒゲで離れてしまうのはもったいないので、ぜひ機会があったらご覧ください。
っていうか、「TheFiveStarStories」が連載を再開すると聞いて、なぜかターンAをもう一度見たいと思った私なのでした。







テーマ : 日々のつれづれ
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相棒はDUCATI MONSTER696とHONDA solo。
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